テレビでそろばんが取り上げられるとき、必ずと言っていいほど出てくるのが「フラッシュ暗算」です。
今回は教室でフラッシュ暗算を行う重要性について書いていきたいと思います。
フラッシュ暗算とは
フラッシュ暗算とはパソコンの画面に次々と表示される数字をたしていくというものです。
1度は目にしたことありますよね?
一般的には同じ桁(1桁、2桁、3桁)のたし算のみを連続で行うものが主流ですが、練習ソフトによってはひき算を含む問題や4桁以上の問題も練習できるものもあります。
また検定試験も行われており、日本フラッシュ暗算協会をはじめ複数の連盟でも実施しています。
フラッシュ暗算は計算力を分かりやすく伝えることができるのでメディアはもちろん保護者にも好評で、全国各地の競技大会でも積極的に採用されており、現在では非常に人気のある競技種目の1つとなっています。
ソフトの普及により気軽に教室や家でも練習が可能になり、スマホやゲーム機でも使える手軽さもあって珠算学習者の多くがフラッシュ暗算に取り組んでいるようです。
フラッシュ暗算のメリット
フラッシュ暗算にはたくさんの魅力が詰まっています。大事な部分だけをまとめると以下の5点がメリットとして挙げられるでしょうか。
2.筆算防止になる
3.たし算だけなので、幼児や低学年でもどんどん伸びる
4.自分のペースで計算できないトレーニング
5.楽しくて気分転換になる
1つずつ簡単に解説していきます。
1.瞬間計算という魔法が使える
フラッシュ暗算はそろばんを習った人でなくても、その凄さが伝わることが素晴らしい点です。
いくら高い技能を身に付けても、誰にも理解されなければ虚しいだけです。ましてや子供が取り組んでいることですから、保護者や友達、親戚、そして切磋琢磨している生徒同士においても評価されるタイミングは必要です。
そういった点からもフラッシュ暗算を披露することがモチベーション維持に繋がりますし、珠算式暗算を知らない人にとっては魔法のような力に感じるものだったりします。海外でフラッシュ暗算をやってみせると、答えを暗記してるだけだと思われてまともに取り合ってくれない程です。何度も何度もやっていると「魔法使い」と言われるようになりますよ。海外でWizardと呼ばれるのはイチロー選手くらいじゃないでしょうか。人が理解できない程の不思議なパワーをぜひそろばん学習で身に付けてください。
2.筆算防止になる
暗算が上達していく過程で、どうしても誤魔化して練習してしまう生徒が出てきます。暗算は頭の中でそろばんの玉のイメージを動かして計算するので、ズルを見破りづらいのです。
しかしフラッシュ暗算をやっておくとある程度解決します。それはフラッシュ暗算の問題は数秒で消えていってしまうという特徴があるので、1桁ずつ分けてけいさんしたり、もう一度見直したりといったことができなくなるので、そろばん式暗算で計算していないとすぐに限界がやってきます。
ズル暗算ではせいぜい2桁4口くらいまでいけたら良い方ではないでしょうか。
おもしろいくらいピタッと止まるので、万が一気が付かなくてもそこで修正することができます。
3.たし算だけなので、幼児や低学年でもどんどん伸びる
計算がたし算だけという条件は、幼児や低学年にとって非常に良い環境です。複雑なことを処理するのは苦手でも、単純なものを早くたくさんやることは上級生に負けません。能力の高い子であれば学年に関係なく1年間で1級合格も比較的容易に到達できるラインです。
低学年で段位レベルという子がゴロゴロいるのがフラッシュ暗算の素晴らしい点ですね。仕組みがシンプルなのでどんどん処理能力が上がっていくことを実感できるしょう。
4.自分のペースで計算できないトレーニング
通常の検定問題は、スピードをあげてどんどん解いていくところもあれば、つまづきながらじっくり考えたりするところもあり、制限時間を自由に使って挑みます。
しかしフラッシュ暗算は計算スピードが予め決められており、途中でつっかかろうが、瞬きして見えなかろうが、こちらに関係なく問題が出題され続けます。
決められた環境に合わせてコミットしていくトレーニングと考えると、非常に大事な練習に思えます。読上算や読上暗算も同じような要素はありますが、読み手によって部分部分でゆっくりだったり早かったりといったリズムがあるものと、常に一定のスピードで処理しつづけなければならない状況は似て非なるものです。
他に代わりがない練習と考えれば、ぜひ取り入れたいメニューの1つですね。
5.楽しくて気分転換になる
フラッシュ暗算を導入する理由は、単純に子どもが好きな練習だということです。ゲームのような感覚で取り組めるので、正誤に一喜一憂しながら楽しく暗算のトレーニングを行うことができます。
それに一度自分の席から立ってパソコンの前に移動するといった行動も、一種の気分転換になって1コマ授業の中で良いアクセントになります。
みんなで一緒にやっても楽しいし、一人でやっても楽しい。そろばん学習を楽しく取り組んでもらうためにはたくさんの「楽しい」が必要です。フラッシュ暗算はそのうちの1つの「楽しい」を加えてくれるアイテムなので、まだ教室で導入されていないひとはぜひ検討してみてください。
さいごに
今回はフラッシュ暗算について書いてみました。
フラッシュ暗算の練習環境なんてそろばん教室に行けば必ずあるだろうと思っている方もいらっしゃると思いますが、私の住んでいる県では半分以下ですね。下手をすれば1/4程度ではないでしょうか。
珠算指導者の多くが高齢になってきたこともありますが、とても良いものなので頑張って練習の1つとして取り入れてもらいたいですし、もしダメでもアプリや動画配信等で個人的に練習することは可能です。
あまり小さな画面で繰り返しやりすぎると目が酷使されるので注意が必要ですが、デメリットらしいデメリットもないのでオススメしない理由がありません。ぜひやってみてくださいね。