指導法

授業効率化のヒント2

昔のやり方・今のやり方
 そろばん教室では生徒がきたら生徒手帳にハンコを押します。授業料を持ってきた子には領収印も押してあげなければいけませんね。授業が終われば出席簿に〇をつけ、忘れ物や報告事項があれば電話をかけることもあるでしょう。
 この一連の流れに特別違和感を感じないかもしれませんが、これが当たり前だと思っているようではダメですね。
 これは「しなくて良い苦労」といっていいのではないでしょうか。何十人もの生徒の手帳にハンコを押す作業は意外に時間を取られることです。5月のページを開いていなかったり、前回分を押していない子は欠席なのか押し忘れなのかを調べたり、手帳もどこかのタイミングで返さなくてはいけません。月謝を持ってくれば中身を確認をしなくてはいけませんし、教材費も入っていればすぐに準備して渡す必要があります。
 さて、ちゃんと授業に集中して取り組める時間はどのくらい残っていますか?
 今はどうでしょう。カードをかざすだけでパソコン上に出席記録が残り、保護者に入室を伝えるメールが送られます。ハンコも出席簿も必要ありません。忘れ物があれば定型文を貼り付けてポチっとボタンを押すだけです。その他の連絡も同様、わずかな労力で済むことばかり。月謝は全て口座振替ですし、教材費も授業料に含まれているのでお金のやり取りはありません。(※検定試験と大会申込時を除く)
 授業時間は全て生徒たちの指導に充てられます。
 これが現代のスタンダードだと認識してください。多少の資金は必要ですが、やろうと思えばすぐにでもできます。やらないのはただの怠慢です。
新しい道具を使おう!
 古い、新しい、というのはどこで分かれるのでしょうか?簡単な基準としては技術の新旧でしょうか。例えば電話。携帯ですか、スマホですか。例えば通信手段。FAXですか、メールですか。例えばメモ。紙ですか、写真ですか。例えばテレビ。地上波ですか、ネットですか。例えば車。ガソリンですか、ハイブリットですか。例えば・・・考えはじめるとたくさん出てきますが、古いものが悪いという事ではないのです。ただし、ニーズがあるかどうかは考えてください。
 家で映画を見る時はレンタルショップから借りてきていましたが、昔はほとんどがVHSでした。それがDVDになり、さらにBlu-ray版の高画質なものが当たり前になってきました。今ではストリーミング配信等がスタンダードになってきているので、メディア自体が滅んでいく流れかもしれません。
 世の中の流れは速いです。だから携帯電話で満足していてはいけないのです。あなたが良くても保護者は電話よりメール(SMSやLINE等)で連絡する方がラクだと思っているのではありませんか?
 携帯電話でもメールはできます。LINEもパソコンでやれます。言いたいのはそういうことではなくて、我々は教育業でありながらサービス業でもあるのです。「そろばん業界のスタンダード」より「世の中では何がスタンダードなのか」を情報収集しましょう。学習塾、公文、学研、英語教室などなど、他の習い事ビジネスはどんなサービスをしていますか?
古い業界は自ら変えていこう
 新しい技術に首をつっこんでいかないと、古い昔のそろばん教室のままです。
 このブログを探し当てた方はとても勉強熱心で向上心のある人だと思うので心配していませんが、そろばん業界はそうではない人がたくさんいます。そして徐々に全体が勢いを失っていることに気が付いているでしょう。
 だからこそ「こうあるべき」という姿勢を堂々と主張して、小さな影響を周りに与え続けて欲しいと思います。
 そろばん教育自体はとても素晴らしいものです。関係者の意見だから大げさに聞こえるかもしれませんが、この文化が滅んでしまうのは日本にとって損失でしかないと思っています。忙しい現代人の生活スタイルには合わない部分も多くなってきましたが、そこは我々が合うように工夫していかなくてはいけないところであり、生き残りをかけて団結しましょう。
 全珠連・日珠連・全珠学連等々、それぞれの所属連盟がいがみ合っている場合ではないということだけは確かです。あまり中に入りすぎると古い思想に囚われる危険もあります。今は自由なコミュニティがたくさんあるので、自分の目で正解を探し当ててください。
話が脱線したので戻します
 授業の効率化ということで、いくつかの作業を簡略化する方法を紹介しました。
 他にも、時間を計ることもストップウォッチを使ってやるのではなくパソコンで自動化することができますし、間違い直しもポイントを絞った効率重視の方法はオススメです。
 間違い直しは全部やるな!のリンク
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 入塾案内もPDF化してウェブ上に置いておけば、QRコードからアクセスできるのでわざわざ紙で用意する必要がありません。パソコンのデータもクラウド上で共有しておけば、その内容をスマホからいつでも確認できます。
 新しい技術を使えばラクになります。ただしラクをするためにはそれ相応の勉強が必要です。でもそんなに高いハードルではありません。あんな小さな子どもたちですら毎日勉強しています。さぁ、我々も勉強しましょう!