暗算の習得にはセンスが必要です。ダメな人は徹底的にダメだったりするものです。
そんな時は自分なりの様々な「誤魔化し計算」を駆使して合格までこぎ着けていきます。
そう、でもそれは先生は教えてくれないのです。
かけ算を1の位から書くと怒られます。みとり算も1桁ずつ分けて計算すると怒られます。
『続けても先に繋がらないと思われるやり方は認められない!』
はい、そうですね。私もそう思います。けれど残された時間が限られている場合、どうにか合格までもっていきたいケースは少なからずある訳です。
今回はそんな「誤魔化し計算」を先生がちゃんと教えよう!という、ありそうでなかった内容でお届けします。くれぐれも言っておきますが、ちゃんとしたやり方でできるならそれを続けましょうね。
時間もない、センスもない、どうしようもない、でも合格したい!という特別な需要にお応えします。
攻略のヒント
級毎に細かく触れていくと膨大な量になりそうなので、今回は例として1級の暗算を取り上げます。
1級ではない人でも誤魔化しテクニックは応用できますので、真似できるところは真似してもらって、少しでもラクして工夫して目標まで到達できるようにがんばりましょう。
何度も言いますが、先生の言われた方法でできる人はちゃんとやってくださいね。
合格に必要ないところはやらない
練習効率化のために重要なのは『無駄を省く』ことです。
全珠連の暗算1級では 386×94= のような計算が出題されますが、練習しなくていいです。
同様にわり算も40523÷49=のような難しい問題は捨てましょう。
では、まずは実際にかけ暗算の問題をみてみましょう。
必ずやるべき問題とそうでない問題を分けてみましょう。
【やるべき問題】
1~10番 ※2級と同程度のレベル
12番・19番 ※2級と同程度のレベルに0がついただけの問題
15番・17番・18番 ※0が入っていて計算量が少ない問題
【捨てる問題】
11番・13番・14番・16番・20番 ※難しい問題
1級の暗算問題は規定通りに作問してあれば、やるべき問題15題と捨てる問題5題に分けることができます。
練習時はちゃんと5題は捨ててくださいね。難しい問題をじっくり解く時間があるのであれば、その代わりにやるべき15題を繰り返しましょう。
最初は問題を分けることに時間がかかるかもしれませんが、やっていくうちにほとんどロスのない状態までもっていくことができます。逆に言えば、どこをやるのかまごついているうちは最低限の練習をこなせていません。もう少しがんばってみましょう。
最終目標は15題中14題正解です。最初の目標は10問で2分。できれば1分30秒。のこり5問のためにしっかり時間を残せるかどうかが合否を分けます。
メモる
頭の中で計算が終わるまでの全ての答えを記憶できればサイコーです。そう、それは分かってる。でもできないから苦労しているんですよね。では紙に書きましょう。
要は作業分担です。計算に必要のない部分は抜き出してメモをする。
例えば1番の問題
56×47=
56×47=□□□2 ※一の位の答えは6と7を見ればすぐ書ける
56×47=2□□2 ※千の位の答えも5と4を見ればだいたいの場合は2だってすぐ分かる
百の位と十の位の2桁の計算は35(5×7)+24(6×4)+4(6×7)をすると63なので
56×47=2632 って感じです。
しかしこれを全部やると時間ロスになりますよね。だからもう少しスマートに誤魔化し計算を試みてみます。
あああああああああ56×47=
手順① 235 56×47=
手順② 235 56×47=263
ああああ259
手順③ 235 56×47=2632
ああああ259
知ってました?解答欄(=の右側)以外はメモスペースとして使っていいんですよ。
正しい順序で計算し、覚えきれない分はメモをしている状態ですね。
235(5×47)を書いて、その近くに259(6×4)を書いて、263(6×7=4□)を書いて、最後に2を書き加える。
慣れてくれば手順③は飛ばせます。
さらに慣れると手順②も飛ばせます。
もっと慣れると全部飛ばせます。
そう、誤魔化し計算をしていてもちゃんとした順序で練習していれば、最後はしっかりそろばん式暗算に戻ってこれるんですよ!
15番の問題をメモメモ
もう一度断っておきますが、メモをするとそれだけ時間をロスしますので、できることならメモは最小限にしましょう。2桁×2桁を一気に書ききれる能力は1級合格には必須です。そこは反復練習でしっかり攻略してください。
そこを通過した人で、しょうがなく、本当にしょうがなくメモをしなければいけない人は、下記のようなメモメモ作戦でがんばってください。
それでは15番の204×97=をやってみましょう。
あああああああああ204×97=
手順① 194 204×97=
手順② 194 204×97=19
手順③ 194 204×97=19788
問題を簡略化する上で重要なのは、確定した部分の解答を書いてしまうことです。
この場合は手順②の4×9の段階で千の位に繰り上がらなそうなので先に19を書いてしまいます。
頭の中は194の19が消えて4だけ残るので、スッキリしてミスなく計算できると思いますよ。
17番をメモメモ
では17番も同様にやっていきましょう。
あああああああああ705×29=
手順① 203 705×29= ※7×29を計算
手順② 203 705×29=20 ※5×2を足しても繰り上がらないことを確認
手順③ 203 705×29=20445
18番をメモメモ
では最後に18番の問題をやっていきます。
しかし、左→右で計算している人は2桁×3桁はどうやっても難しいってことが問題なんです。
ここでは逆計算(左←右)でやってみることをオススメします。
あああああああああ86×103= ※逆にやるので1×86
手順① 086 86×103= ※たす場所を間違えないように0を書くことを推奨
手順② 086 86×103= 8 ※繰り上がらない事を確認(慣れなければ08と書く)
手順③ 086 86×103= 8858 ※3×86を計算
これが理想的ですが、もしもダメならば問題を書き直してしまうのも1つの方法です。
あああああ103×86×103=
そう、メモは自由にしてOKです。
けれど完全に諦めないで、「いつか書かないでできるようになればいいなぁ~」程度の事は心に留めておいてくださいね。
かけ算はこれ以上しなくてOK
15題できれば75点分。1問間違えても大丈夫ですね。合格できる水準に達しています。
作戦としては『ギリギリで合格をかすめ取る!』気持ちでやっているので、あまり欲張らずに正答率を上げる努力をしてください。
今回はかけ算の「正しい誤魔化し方」を紹介しましたが、きっとわり算も知りたいですよね!
おや、字数がおよそ3000字になってしまいました。
ハッキリ言って、この内容自体がムダ!!なのでゆる~く書くつもりでしたが、少々長くなりすぎました。また次回お会いしましょう~