そろばん先生日誌

自分の頭で考える

最近、youtubeを見てて「情報に振り回されないで自分の頭で考えろ」みたいな内容があって、すごく胸に刺さったのでちょっと深堀してみたいと思います。

私は本が好きなのでけっこういろいろなものを読み漁っています。それこそ1冊の本には著者の人生が凝縮された内容が詰まっており、出版社の方が情報に誤りがないかもチェックしているはずなので、信頼に足る情報源として価値が非常に高いです。

それが1000円~2000円で手に入る訳ですから、自己投資としてのコスパは抜群です。

日々様々なことに理解を深めるにしたがって自己肯定感も増していきますし、良い時間の使い方をしていることで満足してしまっている節があるようにも思います。

 

なんでこんな風なことを思うかと言えば、今月末である教室がひっそり閉じてしまうことになったからです。そこは恩師の教室ですが、70を越えて持病ももっており、ご自身が100%で指導に当たれないことで決断なさったのだと思います。

その先生の事を思い返すと、徹底的にご自身で考え抜く方であったように思います。本当に良い教材を探していた時は、これまで貯めた膨大な量の教材をいったん全て捨て、1から全て考え直した、と伺ったことがあります。携帯からスマホに変えた時も、全ての機能を把握するかの如くイジリ倒していた印象です。統計学も独学で勉強され、どのくらいの練習時間でどの程度の進みだと、何年後にここまでいくんだと分析されていました。

独自の早期上達法を開発され、見取算だけを一気に段位レベルまで上達させてからかけ算等にシフトする方法はウチでも真似して取り入れた時期がありました。野球のキャッチボールやトスバッティングからインスピレーションを得て、基礎・基本を繰り返し重点的に取り組むための「そろばんトレーニング」も考案され、現在もウチの核となる練習メニューとして引き継がせていただいております。

そう、この先生は誰かに答えを教えてもらったり、TTP(徹底的にパクる)ことをしてきたのとは真逆のことを、自分との対話の中から生み出していったんだと感じています。

1年を通して、正月以外はずっと休まず教室に立ち続けたことも、ほぼ全ての情熱をそろばんに注ぎ込んできた生き様からも、決してマネできない先生の素晴らしさを感じざるをえません。

 

これを書いている今、先生がご逝去されたとの一報が・・・

先生の事を最近ずっと思い出して考えていたのに・・・

引退の際にどのような品を贈ろうかと思案していた最中だったのに・・・

謹んで心からお悔やみを申し上げます。

 

本当に悲しいです。まだまだたくさん教えてほしかったし、お陰様でがんばれていますって伝えたかったのに。コロナがあってなかなか会えませんでしたね。でもまた今までのように近くで語り合える日がくると信じ切っていました。残念でなりません。

これまで誰より働かれてきたのですから、どうかゆっくりお休みください。

康男先生、今まで本当にありがとうございました。