検定試験

日本計算技能連盟のメリット解説

前回の続き ~6つのメリット解説~

前回は日本計算技能連盟に合う人・合わない人というテーマで話をしました。

今回はメリットについて、少し詳しく解説してみたいと思います。

 

幼児や低学年向け

計算技能連盟検定の特徴の1つに「わり算の難易度が低い」ということがあります。

全珠連と比較すると、ちょうど1つ分遅れている感じです。はじめて出てくるわり算は÷1桁=2桁ですが、全珠連では8級で出題されるのに対し、計算技能では7級で出題されます。以後、1つ違いのまま進んでいき、3級で追いつく形です。

全珠連の4級と3級はどちらも÷3桁=3桁が中心で、違いは小数問題と端数処理が含まれるかどうかだけです。計算技能は4級が÷2桁=3桁ですが、3級で全珠連と同じ桁数になります。

 

実は低学年の子の進度がストップする原因がこのわり算なのです。昔は3年生以上が中心だったので特に問題になりませんでしたが、現在は幼児も当たり前に習う時代です。既存の形式にこだわっていては子どもたちが苦しむばかりです。

 

その問題を解決する方法が実に簡単で、わり算を1つ遅らせることだったのです。

 

特に指導法を変えなくても、たったこれだけでかなりの数の生徒たちを救ってあげられるのだから驚きです。

 

 

もう1つのプラス要素、それは計算技能の問題は桁数が揃っていることです。これも技術が未熟な生徒が混乱しないようにするのに非常に重要な要素であり、5級程度で5桁÷2桁と5桁÷3桁が交互に出題される全珠連が複雑すぎるとも言えます。

高い判断力が必要とされる問題は段位になってからで十分です。課題をシンプルにして、複雑性を持たせないことが早期上達には必要ですし、特に幼児や低学年にとっては何よりも優先すべき大事なポイントとなります。

以上のようなことからも、計算技能は他の検定よりも優れていると私は判断しています。

 

導入プリント等の教材が無料でダウンロード可能

会員のメリットとして、非常に優れた導入プリントを使えることが挙げられます。

導入問題と言えば、指導者と一緒にやる問題が数問、その後に1人で取り組む復習問題が10題程度、そしてまた指導者と一緒になる問題が数問、それから1人で復習、という繰り返しが1つのパターンですが、ダラダラ長くかかってしますことも多いです。

しかし、計算技能連盟の導入プリントは、必要なことだけを厳選して集めたB4用紙1枚分だけです。だいたいが1日で終わります。ゆっくり進めても2日です。忙しい今の時代の指導に合ったスタイルですね。

その後は他の子にまざって通常通りの授業を行うことができますし、最も練習が必要なみとり算に関しても追加で練習できるようにダウンロード可能です。

これらを使えるだけでも会員になる価値があるかもしれません。

 

検定試験の自由度が高い

計算技能連盟の検定は全て教室内で行います。全国統一日に指定会場で行うといった制限がないので、非常に自由度が高いことが特徴です。

同月中であればいつでも好きな時に受験できますし、申込から問題がダウンロードできるようになる(=検定が受けられる)までは最短1日です。これは今のところ他連盟では絶対に実現不可能なサービスですね。

 

他が1ヶ月かそれ以上前の締め切り厳守だったことを考えると、信じられないくらいラクになりました。それに1ヶ月もあれば下級の子は1つや2つは進級できてしまいます。9級を申し込んだのに試験を受ける頃には7級ができるようになっていることなどザラにある話です。この時間差によるズレが解消できることは双方にとって多大なメリットとなるでしょう。

段位まで教室で受験可能

地域によって違いはあるかもしれませんが、私のところでは日商検定は3級以上、全珠連は段位になれば指定会場で受験しなくてはいけません。そしてそれはほぼ間違いなく日曜日です。

実際に複数の習い事をしている子はたくさんいますよね。日曜日は試合や発表会等が催されることも多いですし、何より野球などのスポーツ系は練習自体が週末に限定されていることも少なくありません。検定の度に休まなくてはいけない負担を考えると、どうしても遠慮がちになってしまいます。

 

しかし計算技能であれば段位であっても自分の教室で、しかも平日の通常授業時に受験することができるのです。この自由度は賛否あるかもしれませんが、確実にこの英断によって救われる子たちが大勢いることでしょう。

賞状の発行が早いし教室まで郵送してくれる

賞状は検定実施日から何日後に手元に届きますか?

私の所属している全珠連のシステムは以下の通りです。

検定を受験する → 結果を紙で手渡し → 1ヶ月を目安に賞状を作成 → 検定部で各地区に分ける → 各地区で教室毎に分ける → 支部事務局に取りに行く → 教室で生徒に渡す

 

これが計算技能だとこうなります。

検定を受験する → 成績をメールで報告 → 1ヶ月を目安に各教室に郵送

だいぶ手順が簡略化されていますね。そして1ヶ月を目安と書いていますが、実際は1週間程度で届くことがほとんどです。計算技能の圧勝です。

 

なぜこんなに差ができるかと言えば、全珠連は紙で成績を管理しているので、賞状を印刷するためのデータベースを作るのに様々な項目を1から打ち込まないといけないのです。その間に合格者を本部に報告し、支部に必要枚数の賞状が送ってもらいます。届いたら支部事務局員さんが印刷するのですが、このデータベースを作るだけで1ヶ月近くかかってしまうことだってあります。

一方、計算技能は情報が電子化されているので集約が容易なんですね。スピードが違います。

これまでの当たり前、が当たり前じゃなかったことに今更ながら気付かされました。

 

事務委託手数料が高い

これはデメリットとも言えるかもしれませんが、受験票作成・問題印刷・採点・集計・報告・成績管理等々、計算技能は自分でやるべきことがたくさんあります。しかしその分、事務委託手数料という手当が他の連盟より多くもらえるのです。

これは役員報酬や広報活動・販促物作成などのムダを省いているので、連盟を存続するのに検定料収入に頼りきりな不安定な経営をしていないことも大きな要因だと思います。

 

全珠連でも検定に際してやるべきことは多岐にわたるのですが、代行してくれるものも多いのでその分はしっかり取られてしまいます。自分には受験者1人あたりに対しうまい棒数本程度の事務委託手数料しかもらえないので、作業時間で考えてたら最低時給を大きく下回ってしまいますね。

経営が安定していない(生徒数が確保できていない)教室にとっては、年間を通せば小さくない差になることも考慮しなければなりません。

 

まとめ

今回は日本計算技能連盟のメリットについて書いてみました。

 

大会や研修、コンクールなどなど、他にもたくさん挙げられそうですが、まずは大事な検定試験を中心にまとめてみましたがいかがだったでしょうか。

 

詳しくは、日本計算技能連盟のホームページをご覧ください。

 

そのうち検定内容の比較記事も書いてみたいと思いますのでお楽しみに☆