検定試験

日本計算技能連盟に合う人・合わない人

日本計算技能連盟をイチオシ
 計算技能連盟が会員を募集し、検定を始めてから半年が経ちました。
 しかしながら、あまり多くの支持を集められていないようです。(出版社の方とお話しする機会があったのでいろいろ聞いてみましたが、計算技能連盟の教材の売り上げは想定より良くないような話でした)
 正直に「もったいないな」と思いましたので、連盟の回し者でもなんでもないですが、「良いものは良い」というスタンスでメリットとデメリットを含めて紹介します。

計算技能連盟に合う人

計算技能連盟の検定問題は非常に良く考えられており、特に低学年でも無理なく進級できることが最大のメリットです。

ほぼ全員に適していると言いたいところではありますが、下記の3つの条件をクリアできなければ検定試験を行うことができません。

1.エクセルファイルが扱える
2.電子メールにファイルを添付して送信できる
3.ファイル(問題)をダウンロードして印刷できる

出版社の方と話した時にも感じたのですが、珠算人のIT偏差値の低さが計算技能連盟の普及を推し進められない要因となっているようです。

連絡事項はFAXか郵送が主で、電子メールどころかパソコンやスマホが関係するものは基本的にNG。支部の平均年齢が60歳でも若いと言われる先生方の年代を考えれば無理もありません。

それに何十年もやり続けてきた自分なりの正解をそれぞれが持っている訳で、新しい軸を今更必要としてない方も多いことは想像できます。

だから結果としては、人並みにパソコンを使える人が得をする(計算技能連盟を利用できる)し、若くて柔軟性がありより良い指導を追求する冒険心がある方には、尚の事オススメできると言えるのではないでしょうか。

計算技能連盟に合わない人

既に他連盟で十分だと感じている人は、それでいいのではないかと思います。

満足していることに対して「もっといいものがありますよ」と無理にオススメするのは野暮ってもんです。その人が今とは違うものを求める時の選択肢として知っておけば良い程度のものです。

それに、それなりのパソコンスキルは必要になります。下記にいずれかに当てはまる人には向いていないと言えるでしょう。

・頑張って勉強する気が起きない
・パソコンやプリンタ等の周辺機器を持っていない
・パソコンを扱える人が近くにいない

 もちろん検定試験を受験しなくてもいいのであれば、出版社からテキストを買って練習用に利用することも可能です。

 ただし、会員になると各級の導入用プリントや見取算だけの強化問題もダウンロードできるようになりますし、検定に結びつかない練習は保護者にとっても子どもにとってもあまり良い状況とは言えません。

無理に計算技能連盟に切り替えない方が幸せになる人たちもたくさんいると思いますので、急いで決断する必要はないでしょう。

計算技能連盟のメリット

デメリットは上に書いたように、パソコンを使えないとうま味が半減することですが、反対にメリットも挙げてみたいと思います。

1.幼児や低学年向け
2.導入プリント等の教材が無料でダウンロード可能
3.検定試験の自由度が高い
4.段位まで教室で受験可能
5.賞状の発行が早いし教室まで郵送してくれる
6.事務委託手数料が高い

ここについては次回詳しく解説し直したいと思いますが、1番のメリットは先程も述べたように問題内容が秀逸である点です。

なかなか上達させてあげられないなぁ、私は指導力がないなぁ、と悩んでいる方がいるのであれば、検定を計算技能連盟に変えるだけで解決できる場合もあるかもしれません。

それなのに、着地(段位)は全珠連と同じになるので不思議なんですね。知らない方のために追記しておくと、全珠連と計算技能連盟の段位検定の内容はほぼ同一です。全く一緒と言いたいところですが、全珠連は最高段位が十段なのに対し、計算技能は問題数を増やして二十段まで認定してくれるという違いがあります。十段までは同じ内容なのでどちらが勝るとか劣るということは考えなくて良いのではないでしょうか。

暗算においては検定種目がどちらも「かけ暗算・わり暗算・みとり暗算」で一緒ですが、珠算は共通の「かけ算・わり算・みとり算」の他に、全珠連のみ「伝票算・暗算・応用計算・開法」が加わります。

まとめ

計算技能連盟はこれからそろばん教室をはじめる若い人にこそ選択してほしい検定です。

検定試験の他にも、コンクールや競技大会、研修会等に参加することもできますし、何より生徒の能力が伸びやすいカリキュラムになっていることが最も価値を感じる点です。

もちろん他連盟との併用でも構いませんし、全珠連系の人たちにとってはメリットだらけなので詳しく調べてみてください。

 「一般社団法人 計算技能連盟」のホームページはこちらから