先生用

自宅練習に最適『短時間でかけ暗算特訓』

自宅でそろばんの練習するなら、『かけ暗算』の練習はいかがでしょうか?

かけ暗算の桁幅アップやスピードアップは時間がかかりますので、少しずつ練習を積み重ねなければいけません。この『少しずつ積み重ねる』という点で言えば、短時間で何度も繰り返せる自宅練習に最適の練習かもしれませんね。

 

オススメする理由としては、

①自宅で長時間練習をするのは難しい

②つまり1種目7分の「そろばん」より3分の「あんざん」の方がいい

③3種目は多いので1種目くらいで勘弁してほしいと思っている人がいる

④わり暗算は分からない問題が出やすく、みとり暗算は非常に根気がいる。だからかけ暗算がちょうどいい

⑤ちなみに問題を作るなら暗算の方が桁が短いのでラク

という点で自宅練習向きです。

暗算の中でかけ暗算を奨める理由は、わり暗算は分からない問題が出やすく、みとり暗算は非常に根気がいるので、じゃあかけ暗算がちょうどいいんじゃない、という割と曖昧な感覚的なものでしかありません。でも短時間しか取り組めない人にはホントにちょうどいいんだと思います。

 

では、まずは大雑把な進め方から、問題の作り方、解く上で助けになる適度なヒントの出し方まで解説していきます。

かけ暗算・超特訓 ~進め方~

まずはじめに注意をしておきます。スモールステップというのは難易度が高いと思われる人にとって非常に取り組みやすい方法ですが、出来の良い方、簡単だと感じる方、よくできる方、頭が切れる方、つまり、俺ってセンスあるな!と思っている人にとっては進度を遅くしてしまう悪い方法にもなりかねません。

全てをじっくり取り組む必要はありませんので、必要に応じて選んでやってみてください。

基本はアバカスサーキットの問題順でよいのですが、桁アップのためには逆桁(3桁×2桁の次に2桁×3桁など)に取り組んでおくとラクになるでしょう。F1攻略は下記の通りです。

①2桁×1桁

②3桁×1桁

③2桁×2桁

④3桁×2桁

⑤2桁×3桁

⑥3桁×3桁

⑦4桁×3桁

⑧3桁×4桁

⑨4桁×4桁

F2は①~③で、F1は③~⑨(⑤と⑧は除く)ですね。暗算十段攻略のためには5桁×3桁、3桁×5桁にも取り組みましょう。

進め方は①~⑨を順番にやっていきます。※左→右で計算する人向けです

計算する上でのポイント

~ 最初は手が止まっても気にしない ~

慣れていない桁の計算をする時は答えを書く時が手が止まってしまうことも多いと思います。けれど自分の限界を越えようとして難易度の高い問題に取り組んでいるのですから当たり前です。何度も繰り返して問題に慣れていきましょう。

~ 一気に答えを書ききることを意識する ~

問題に慣れてくると10題を1分~2分程度で解くことができるようになります。しかし、計算時間ばかり気にするのではなく、答えを一気に書ききっているかどうかを気にしてみてください。

2桁×1桁であれば、しっかり3桁分の数字を頭に入れてから答えを書けるようになっていますか?かけ算は計算せずとも答えの末数がすぐに分かるため、最初の2桁書いた後で問題を見返し、最後の数字を確認し直してから書いてしまいがちです。しかしこれではさらなる桁幅アップは期待できません。答えは一気書き、10題1分30秒(できれば1分以内)、正答率が常に8割以上になれば、1つ上のレベルに挑戦できるかなぁというのが1つの目安になります。

問題を作ろう

問題は手書きでもいいし、市販品をコピーしてもいいでしょう。

ただ、できるだけ同じ問題を繰り返さない方が上達するような気がしています。

 

ならばエクセルを使って問題を作りましょう!

 

※以下は簡単な作問講座なので、問題を用意できる人は飛ばしてください

エクセルを使えば簡単に乱数(ランダムな数字)を表示してくれるので簡単で最適です。

1桁の乱数を発生させたければ、下の文字をコピーしてどこでもいいので貼り付けてください。

=randbetween(2,9)

イコールもコピーするのを忘れずに。キーボードの右上にあるF9キーを押すと数字が変わります。

2桁の乱数は下記の文字です。

=randbetween(10,99)

何も考えずにコピーして貼り付ける。そしてF9キーを押す。うんうん、たぶん大丈夫だと思います。

1桁と2桁の間に『かける』と打ち込んで変換して『×』を表示させておけばいいでしょう。

答えの出し方は・・・まぁなんとかなりますよね。

もしダメなら・・・2桁の数字を作る式をA1に貼り付けて、1桁の数字を作る式をC1に貼り付けて、B1の場所には × ←をコピペしてください。答えは離しておきたいので、G1あたりにしましょうか。下記をコピーして貼り付けてください。

=a1*c1

その他、桁数を変えたいとき用に3桁と4桁もコピーできるようにしておきますね。

=randbetween(100,999)

=randbetween(1000,9999)

 

もうお気付きでしょうが、カッコの中の最初の数が最小値、後の数が最大値です。数字を変えることで自由に数字を発生させることができますのでいろいろ挑戦してください。

ちなみに数字の中に0が出ないようにするには、2桁であれば下記のような式にすると可能です。

=randbetween(1,9)*10+randbetween(1,9)

あえての一気に書かない方法

桁数が上がってくると、どうしても苦しくなって投げ出したくなります。自宅練習なら教えてくれる人がいないので尚更です。

そこでヒントの登場です。ヒントは途中までの計算が合っているかの確認や、慣れていない状態の時に『答え途中書き法』、いわゆるかけ暗算の分割計算をする上で非常に助けになります。

例えば3桁×3桁の問題。(左→右の場合)

2桁×3桁までの計算があっているかどうかの確認をする式は以下の通りです。

入力されている3桁がA1とC1にあるとしたら

=left(a1,2)*c1

これだけでもいいのですが、さらに解答欄に途中までの答えを載せてしまいましょう。

G1に答えがあるとして、

=IF(LEN(G1)=6,LEFT(G1,2),LEFT(G1,1))

後はオートフィルで一気に問題数を増やして完成です。

問題っぽく枠を作ったりして、完成例はこんな感じ。

ウチの塾生は生徒用のページに全部の問題があるので作る必要は全くありません

問題の種類が多ければ先生はいらない

ある程度まで力をつけてしまえば、自分に合った問題され見つけられれば後はやるだけ。指導者は必要ない場合も実際多いのです。

自分で問題が作成できるようになれば尚更のこと。例えやり方を間違えていたっていいんです。いろいろなことにチャレンジする過程で考える力が身に付き、次の挑戦の時に活かされます。

時間のある時はやってやってやりまくる。何度も何度も繰り返す。そろばんのような単純な仕組みのものは意外と物量で押し切れるものです。

ぜひ自宅練習ではかけ算の桁幅アップに挑戦してみてください。

次回は…

暗算攻略にはたくさんの問題の他に、少しの誤魔化しテクニックが必要だったりするかもしれません。

次回は、正統派の教室の指導者からは決して受け入れられない!?誤魔化し暗算テクニックについてでも書こうかな?

ちゃんと練習に来れて、しっかり練習時間を確保できる人はいいんです。でも短い時間しか練習できなくても暗算1級には合格させてあげられる受験テクニック的なもの、邪道なあまり公にしたくないものをやっていきましょう。次回は、なーんだ、そんなことか、どうでもいいかもね、的な緩さでお届けします。