最大最小より平均値
どんな習い事であれ、自分なりに精一杯やっているのであれば十分。
そう思われている方も多いのではないでしょうか。
しかし、他人と比べられる状況であれば、誰かに勝っていることで満足感を覚え、負けていると感じて奮起する、そのようなことも多いように思います。
各教室でも上達スピードは異なるでしょうし、少数の飛び抜けた存在や特定のなかなか上達できない人たちに目を向けるよりも、平均値(又は中央値)に注目しながら大多数の生徒たちに自身が関係あるものとして意識を高めてもらい、幾度となく背伸びをしたり、時にはジャンプしたりもしながら、上に上に伸びようと努力してもらう環境を整えたいものです。
そこで、当教室では分かりやすく通塾カードの☆マークで進級具合を測れるようにしました。(昨年までと☆のルールを変えました)
通塾カードの切り替えタイミングが4月なので、あまり参考にならない方もいらっしゃることと思いますが、一度は目を通していただければ幸いです。
当塾に関係ない方であっても、普通のそろばん教室がどのような進級目標で指導しているのかを知る上で有益な情報だと思いますよー。
エースの目標ペース
通塾カードには「☆0~☆5」まで6段階評価で進級段階を表している部分があります。
最初は全員☆0で、最高が☆5です。途中で☆がアップする条件に達した場合は☆のシールを貼って対応しています。
初歩→初級☆(1年間目標)
そろばんを習って初めて受け取る通塾カードには☆がありません。
対象の人の絵柄は「そろばんくん」です。※エクセルで扱える図形のみで作った、そろばん型の頭に短い手足が生えた簡易型のオリジナルキャラ
まず目指すのは、そろばん10級 です。
たし算とひき算がしっかりできていれば大丈夫。
少し遅いように思われるかもしれませんが、幼児が多くなった昨今では十分です。
小学1年生でも新しい環境に慣れながらという部分を加味すると適当な目標だと考えています。
小2以上ではじめた人は半年間で到達できるようにしましょう
まずは習い事自体に慣れる。勉強するということ知る。集団行動のルールに揉まれる。大枠で捉えると準備期間と言えるでしょう。暗算も練習してはいますが、まずはそろばんの進級状況を重視して進めていきましょう。
初級☆→中級☆☆(2年間目標)
☆1(10級)になったら、次の目標は そろばん6級 です。
対象の人の絵柄は、ゆかり先生が大好きな「キリン」です。※柄にそろばんの玉の形が紛れているのが特徴
当然ながらわり算もできるようになっていますが、一番の課題は3桁×2桁のかけ算です。九九の暗唱は必須ですし、高度な計算をスラスラ解いていくスキルが求められます。
低学年ならば苦戦は必然。粘り強く取り組まないと必要以上に時間をかけることになります。一時的にでも練習量を増やして乗り越えさせたいポイントです。
小2以上ではじめた人は1年間で到達できるようにしましょう
暗算の習熟度は問いませんが、できれば5級(かけ暗算・わり暗算と2桁5口ができる)程度には進めておきたいところです。
中級☆☆→上級☆☆☆(3年間目標)
☆2(6級)になったら、次の目標は そろばん4級・あんざん2級 です。
対象の人の絵柄はプロに作ってもらった完全オリジナルキャラの「ジャラ子」。※そろばんを身にまとい、そろばん型のお団子頭がかわいい女の子
珠算は半年に1つずつ進級し、暗算は4ヶ月に1つずつ進級できれば到達できます。
暗算は特に個人差が多いジャンルではありますが、そろばん式の暗算を十分に習得できていない(誤魔化していたりいい加減に取り組んでいたりする)と、急にブレーキがかかるポイントでもあります。頭の良い子でもちょうど太刀打ちできなくなる(筆算がそろばん式暗算に勝てなくなる)タイミングだったりするので、修正を余儀なくされて苦労している生徒をよく見かけます。
小2以上ではじめた人は2年間で到達できるようにしましょう
上級☆☆☆→超上級☆☆☆☆(4年間目標)
☆3(4級・2級)になったら、次の目標は
そろばん2級・あんざん段位 です。
対象の人の絵柄は、我が家の愛犬「フィー助」です。※色が(子犬の頃は茶色が強かった)アプリコットなので、同系色のダッフィーから名前をもらいました
珠算と暗算を半年(準級をはさめば3ヶ月)に1つずつ進級できれば到達できます。
ここが「エースの全員達成目標」ということになりますが、この通りに進めた人は(正確な統計ではなく感覚ですいません)半分といったところでしょうか。今後はどうにか70~80%程度には引き上げたいという思いで指導に当たっています。
小2以上ではじめた人は3年間で到達できるようにしましょう
超上級☆☆☆☆→?(目標達成者)
☆4になった人は教室の目標を達成済みです。次は自分で目標を立てて取り組んでみましょう。
対象の人の絵柄は、「フィー助よろこびバージョン」です。※これが一番人気です
検定は1年間でどこまで到達したいのか。どの大会に参加するのか。目標とするライバルは誰でどこの部分で勝りたいのか。そのための短期目標は何になるのか。どのような練習が必要でそのためにはどの程度の時間をかけなくはいけないのか。レベルが上がれば要求も引き上げられます。
自分に期待し、わくわくするイメージと大きな目標を掲げて、仲間と一緒にがんばりましょう。
そろばんマスター(高段位)☆☆☆☆☆
☆4がそろばん2級・暗算段位で当塾の目標になりますので一応ゴールです。ではその上の☆5はどんな条件に設定しているのでしょうか。
それは、当塾のパワーランキング(総合力)でベスト10になることです。
そろばんの合格級、あんざんの合格級、フラッシュの合格級、アバカスサーキットの最高点、スピード競技の最高点、この5つの指標を数値化し、4月開始時点で順位付けしています。
教室番号「4」と順位を組み合わせたものが生徒番号です。401,402,403…
つまり401~410が☆5、当塾を代表するトップの生徒ということになりますね。
対象の人の絵柄は、「フィー助完全燃焼バージョン」です。※とにかく燃えてます
そろばん学習の根本は自分自身との戦いではあるのですが、習っているうちに少しずつ目標が変わっていき、最終的には他者との競争になります。そこに打ち勝ってこそ技術や精神は輝きを増して磨かれていくものだと感じているので、このようなルールに設定しました。
メイン練習
今年度から☆のランク毎に練習メニューを変えました。もちろん検定が近い時には全員同じような内容になりますが、特に今月(4月)のように余裕がある月は特徴があるのでお知らせがてらご紹介します。
☆0
教室ではオリジナル初歩教材、家庭学習はそろばんワールド(又はスマッシュ又はちびっこそろばん)で進めます。
ある程度進むと▢級のプリントに取り組みますが、全て印刷の度に自動作問されるオリジナルプリントです。級が進むと現在の練習級までの復習をしてから(13級練習者は15級・14級をやってから)いつもの練習プリントに入ります。
☆1
教室ではオリジナル教材、家庭学習は検定準拠プリント集とアバカスサーキットF2で進めます。
オリジナル教材はたし算強化バージョンで、10問中8問が連続してたし算だけの問題になっています。とにかくたし算だけは間違わない、ということポイントにしています。
基準点を取れるようになると、テスト用の問題に1度だけ挑戦することができ、見事クリアできたら進級という流れになっています。
☆2
教室ではオリジナル教材、家庭学習は検定準拠プリント集とアバカスサーキットF2又はF1で進めます。
オリジナル教材はF2+(プラス)という、F2とF1の中間レベルの問題となっています。また、わり算の4桁÷2桁をマスターしやすいように出題順を考えて作問しているのが特徴です。このプリントで暗算と珠算を一気にまとめて練習していきます。
各種目の自己最高点を意識しながら、暗算力の養成に力を注ぐ時期です。
☆3
教室ではオリジナル教材、家庭学習は検定準拠プリント集とアバカスサーキットF1で進めます。
オリジナル教材は「暗算段位Bコース」という(一社)日本計算技能連盟の暗算段位検定問題に準拠した問題を作問しました。整数だけの端数処理がない問題で構成されており、計算力のみに振り切ってトレーニングできるのが特徴です。
F2+と同じく、各種目の自己最高点を意識しながら、暗算力の養成を続けていきます。
☆4以上
教室では市販教材、家庭学習は検定準拠プリント集とアバカスサーキットF1又はF0で進めます。
メイン教材は「暗算段位Aコース」という(一社)日本計算技能連盟の暗算段位検定問題に準拠したプリント集です。表面の40題は(公社)全国珠算教育連盟とほぼ同一基準の問題規定になっており、裏面の20題が十一段~二十段まで判定できる高難度の問題のみで構成されているのが特徴です。
さらにこのレベルの生徒たちは何かの大会に対して目標をもっている場合が多いため、延長時間等使って各自練習を進めていきます。
千里の道も一歩から
長い長い道のりを歩くのに、ゴールばかりを意識していては気が滅入ってしまいます。
まずは目前の目標に対して全力を注ぎ、道中に大きな岩が転がってこないか、危険な猛獣が潜んでいないか、途中で水筒の水が尽きないか、天気は大丈夫だろうか、周りと逸れてしまっていないだろうか、そんな今の状態を確認をしながら1つ1つ確実に進んでいきましょう。
練習をすれば必ず上達するものではありません。
しかし、上手になる人は必ず練習をしています。
4月は目標を持って何かを始めるのにちょうど良い時期です。
みんなで前向きな気持ちでがんばっていきたいものですね。