前回に引き続き、段位暗算の導入方法について書いていきます。
電話をもらって考えた、ほんの思い付きで書いているので取り入れる際にはご注意を。

これまでの方法
それでは標準的な段位わり暗算のやり方に触れておきます。
かけ算は 整数 + 整数 = 整数 でしたが、
わり算は 整数 ー 整数 = 整数 となります。
例1)74.48 ÷ 9.8 =
この場合は 7448 ÷ 98 の計算をし、76という答えを書きます。
74.48は整数が2桁、9.8は整数が1桁です。
2桁-1桁=1桁なので、答えの整数は1桁となります。
上から1つ目に小数点をつけて「7.6」という答えを完成させます。
例2)4.08 ÷ 1.2 =
この場合は 408 ÷ 12 の計算をし、34という答えを書きます。
4.08は整数が1桁、1.2も整数が1桁です。ただし最初の計算(4÷1)は実(左側)の頭数が1桁の時は答えの整数が1桁増えるので、1桁-1桁=0桁に+1桁して、答えの整数は1桁になります。
上から1つ目に小数点をつけて「3.4」という答えを完成させます。
幼児に教えられるのか
上の例題以外にも、10.35÷0.45のような「最初の九九で『が』がついても1桁増えない」という間違いやすい問題や(この場合は4の段で10を探す。4の段で010を探すわけではないので桁は増えない)、0.24÷0.06のように、0桁-(-1桁)=1桁になるような問題(この場合は÷0.0が1桁増えると丸暗記させると早い)もあるので、さらにややこしくなります。

方法①小学校式(整数に直す)
例1)74.48 ÷ 9.8 =
この場合は 7448 ÷ 98 の計算をする前に、法(右の数)を整数に直します。
9.8を10倍して98にし、同じく74.48を10倍して744.8にします。
744.8 ÷ 98 という形に変わりましたが、答えは一緒になるので安心してください。
ここで計算する上でのポイントです。
実(左の数)<法(右の数)になった時点で小数点をつけます。
744.8と98は実(左の数)の方が大きいので一先ずそのまま計算していきます。
最初の答えの『7』を書き、あまりを求めましょう。7×98をひくとあまりは58.8です。
あまりが出たら、すぐ比べっこです。58.8と98はどちらが大きいですか?
この時点で実<法になりましたね。答えに小数点をつけましょう。「7.」となります。
後は小数をきにせず計算です。588÷98=6です。答えに6を書き加えて「7.6」を完成させます。

方法②学校式改(整数に直さない)
学校式をちょっといじった方法です。これが電話で聞いたやり方ですが、より手間がなく分かりやすいと思いますので、例2で解説します。
例2)4.08 ÷ 1.2 =
計算する上でのポイントは一緒です。
実(左の数)<法(右の数)になった時点で小数点をつけます。
小学校式との違いは法(右の数)を整数に直さないで計算することです。
まずは最初の答え『3』を書き、あまりを求めましょう。0.48になるはずです。
あまりがでたらすぐに比べっこです。0.48と1.2はどちらが大きいですか?
この時点で実<法になりましたね。答えに小数点をつけましょう。「3.」となります。
後は小数を気にせず計算です。48÷12=4です。答えに4を書き加えて「3.4」を完成させます。
10倍や100倍にする手間を無くした上に、そろばん式の考え方と違って「が」がつくとか答えの整数が1桁増えるとか、ややこしい事を考えなくて良くなりました。
非常に優秀な計算方法ですね!

方法③オレ式(かけ算の逆)
これで納得してちゃダメなんじゃーい!

情報を仕入れた上で、本当にそれがベストなのか考えてみましょう。
いや、もっといい方法があるかもしれない。
考え方をもっとシンプルにしたのがオレ式です。
(マネして怪我しても責任は取らないぜ)
では解説です。
かけ算では「小数+小数=答えの小数」というやり方で幼児の指導を推奨しました。
だったらわり算はその逆で良くない?
私の考えはこれだけ。だから「小数ー小数=答えの小数」ということになります。
A社の暗算段位プリント集第1回の問題の中から20番までの小数計算のみを抜粋してみてみましょう。
37.24÷3.8= (2桁-1桁=1桁)
2.703÷0.51= (3桁-2桁=1桁)
41.164÷50.2= (3桁-1桁=2桁)
43.25÷1.73= (2桁ー2桁=0桁)
0.65115÷0.69=(5桁-2桁=3桁)
2.9024÷14= (4桁-0桁=4桁)
計算する上でのポイントは
実(左の数)は見えているところまでしか計算させないことです。

14÷5のような計算は2.8ですが、14の下の桁の0は存在しない前提で計算するので、答えは2(4あまっちゃったなぁ)、で一旦計算終了です。
小数0桁-0桁=0桁なので、答えは2!幼児はそれでマル!くらいの勢いで割り切ると良いでしょう。
段位の条件(小数第3位未満切り捨て)に合った条件でやらせるための回避方法はありますが、ややこしくなるので段階を踏んで指導した方がいいでしょうし、不具合が生じた時が計算方法の切り替え時だったりします。
まとめ
段位わり暗算の計算方法は、
整数ー整数=答えの整数 よりも 小数-小数=答えの小数 がオススメ。
三段くらいまでは全く問題なく指導できると思います。
自塾で試した期間が短すぎて参考にならない部分もありますが、もしピンときたら試してみてください。
しっかり教える技術を持った先生は全般スルーでお願いしますね。
