そろばんはできるだけ長く練習してほしいですよね。
『先生!今日はがんばって2コマ分やりまーす!』と言ってきた生徒がいたとして、どんな授業を行いますか?他の生徒は入れ替わるので周りに合わせて同じメニューを繰り返すのか、それとも長く練習する生徒だけの新たなメニューを考えて与えるのか。こういう時はタイプが分かれますよね、きっと。常にガッチリやるのか、ユルユルでふんわりとした授業をするのか。さぁどうしましょう(。-`ω-)
今回はハマっている練習をご紹介します。良さそうと感じたら真似してやってみてください。
しっかり ⇒ ふんわり
練習内容に触れる前に私の立ち位置をハッキリさせておきたいと思います。
今の私の好みは1コマはしっかり、2コマ以降はふんわりです。
シーンとした中で緊張感をもって取り組むのか、フワッとした柔らかい雰囲気の中で伸び伸びと練習するかは指導者の方針や好みによる部分が多いですし、どちらにせよ賛否が分かれる部分だと思うので良し悪しについて言及するつもりは毛頭ありません。
参考までに、1コマの授業(主に検定練習)を終えた後の、ふんわりした授業で活きるマイブーム練習を解説していきます。
練習その①『点数予想』
ルール①トランプを引いて同じ数の人同士が対戦相手
ルール②かけ算が計り終わったらその手ごたえを元に自分の点数を予想し、次が始まるまでに所定の欄に書き込んでおく
ルール③わり算、みとり算も同様にして予想し、その合計予想点数も出したら対戦相手と交換採点
ルール④自分の最高点数を10点以上下回った場合は無条件で負け
ルール⑤かけ算・わり算・みとり算・合計の4つで最も近い人に○をつけていく
ルール⑥○が多い人(最大4つ)が勝ち!同点なら点数が高い人が勝ち!
2人対戦か3人対戦かはトランプの数を調整して行ってください。勝ったら穴埋めはしなくて良い、とか、教室独自のポイントカードをあげる、などの特典があった方が燃えます。
練習その②『合計算』
ルール①2~3人ずつを1チームとしてそれぞれの練習プリントを用意(同じ級なら回数を変える)
ルール②かけ算・わり算・みとり算のどれを行うかを決める
ルール③全員1番だけを計算し、その合計を別紙に記入して見せにくる(先生は事前に答えを準備。私はエクセルデータで全ての答えを持っているので、1番を解いている間に各チームに合わせた答えを別シートに貼り付けてsum関数でその合計を出しておく)
ルール④先生は○か×しかつけないので、×の場合はもう一度計算し直す(誰が間違えているかは分からないし、全員当たっていて合計を間違えているだけかもしれない)
ルール⑤時間内に全問クリアできたら勝ち。できなければ負け。うるさくしても負け。誰かを責めても負け。急ぎすぎて怪我をしても負け。勝ったら練習その①同様に何か特典があると◎。
※トラブル=即終了にしましょう
練習その③『アバカスパズル』
アバカスサーキットは通常5分で計りますが、今回は7分~8分程度で終わりそうな問題数を予め指定します。かけ算だけでなく、わり算とみとり算もはじめから題数を決めておくと良いでしょう。
ルール①参加料として全員1ポイントカードを出すこと(※ポイントカードは頑張るともらえる塾独自のポイントカード。ただの紙切れですがお楽しみ会では1円程度の価値があります)
ルール②トランプを引いて、出た数の分だけ先生がハサミで自由にカットする(予め数の少ないトランプは抜いておく)
ルール③制限時間各10分。早く計算が終わったら、余った時間でポイントカードを元の形に戻す。
ルール④見取算を計り終わるまでに復元できたら2~5倍のポイントがもらえる。ただし、時間内に終わらなければ切り裂かれたポイントカードはただのゴミになる。
ルール⑤採点をして、間違いの数が多い場合(10題~20題程度)もポイントはもらえない。
先生はゲームマスター
そろばんをおもしろくするためには遊び心が必要です。つまらなく感じるかおもしろく感じるかは指導者の手腕にかかっています。
ずーっと同じことを繰り返しておもしろいですか?やらされている子どもたちは当然の事として指導者自身も飽きてくると思いますし、実際私はすぐに退屈してしまうタイプです。もちろん繰り返し学習をやっていく中での自分の変化を楽しめる子もいるでしょうが、大多数はゲーム性を持たせて遊びの要素を入れてあげた方が楽しめるでしょう。
我々指導者はルールを決めることができる立場にいます。先生が決めた遊びを生徒に全力でやってもらって上達させれば良いのです。その時間として適しているのが延長練習の時だと思いますし、毎回ではなくとも、たまに違った要素を入れるだけでワクワクした気持ちで練習できるので、多くの生徒たちは満足してくれるでしょう。
今回は今のマイブーム練習を紹介しましたが、来月には飽きてしまって違うルールに変わっているかもしれません。しかし、その都度のアドリブ力で楽しい練習は生み出していけます。もちろん失敗も多いですが、野球でいったら打率3割は一流選手です。思い切ってホームラン狙っていきましょう!