まず最初に大事になるのが「何をベースに指導していくのか」という点です。
そろばんでは「検定試験」という分かりやすいチェックポイントを設けてその進度確認を行っていきます。だたし、その検定試験にも主催団体によって内容が異なるので注意が必要です。
主な珠算検定を行う団体は主に、全国珠算教育連盟、日本珠算連盟、全国珠算学校連盟の3つです。
各連盟についての詳細は別の機会に書いてみたいと思いますが、特に優劣はありません。それぞれに長所と短所がありますので好きに選んでもらって大丈夫です。
尚、検定試験は連盟に所属していなくても受験することができます(当たり前のことですが、意外と知らない人もいるようですので念のため明記しておきます)。もちろん自分の教室(家)で受験することはできないので、指定された日時に試験会場まで足を運ぶ必要があります。
各連盟に所属して認定教場と認められれば、~級までは(各連盟により異なる)自分の教室で受験してもいいよ~、というお許しがもらえるわけですね。
会員になるメリットはありますが、基本的に無所属でもなんとかなります。
珠算検定試験を行う団体は他にもたくさんあります。塾によっては独自検定としてオリジナルの問題で実施しているところもあるようです。
では本題に戻ります。何をベースに指導していくか、ということを考えると、それはつまりどこの団体の検定試験に沿って進めていくのか、ということになります。もしどこかの連盟に所属しているのならそれがベースになるでしょうし、これからどこかに所属しようと思っている人は、その地域で会員数の多い連盟に加入すれば間違いないでしょう。たくさんの人との交流が見識を深め、やる気を生み出し、自分の教室の質も高まることは間違いありません。
ただし、管理人がおすすめする連盟は上記のビッグ3いずれでもありません。人脈や情報源を既に持っている人限定にはなりますが、これからの時代に合っているのは「日本計算技能連盟」です。
日本計算技能連盟は3月末に東京で行われる全国大会「All Japan Soroban Championship」を主催する団体です。若手の先生が主となって活躍しており、他にはない魅力があります。
その1つが今年1月に始まった検定試験です。簡単にいえば、3つの団体の良いとこ取りをした出題内容となっています。既存の団体は長い歴史があり、それ自体が価値となっています。ですからその根幹となる検定試験の内容についてはおいそれとは変えることができません。習う子どもたちが低年齢化している昨今においても、簡単には変化できないのです。全国珠算教育連盟の検定がベースになっていますが、他の連盟の良い所も取り入れながら、幼児でも無理なく短期間で上達できて、最終到達点が同じになるように考えられています。令和の新時代に相応しい検定試験と言えるのではないでしょうか。後出しジャンケンで圧勝した、といったところですね。
法人格は全国珠算教育連盟と全国珠算学校連盟が公益社団、日本珠算連盟と日本計算技能連盟が一般社団となっていますが、そろばん業界としては商工会議所が行う珠算能力検定が有名なので、日本珠算連盟が一歩リード、というところでしょうか。※珠算能力検定は1~6級が商工会議所主催、それ以外が日本珠算連盟主催という少し分かりづらい決まりになっています
ベースが決まれば、それに合わせて各塾で創意工夫を凝らしていくことになるのですが、それはまた次回に。このサイトでは、連盟に偏らない珠算全般的な提案をしていきます。