そろばん

「そろばん」と「野球」

塾報からの転記シリーズ
 前回に引き続き、塾報の内容を再掲していきます。
 少年野球をやっていた私がそろばんと野球を無理矢理こじつけて書いたものですが、現在の塾運営のベースになっている部分でもあったりします。「そろばんはスポーツである」という考え方で向き合うと割と考えがシンプルにまとまるのでぜひお試しください。

強豪校の野球チームの練習内容

私が小学生の時に通っていた少年野球チームは大会で優勝したりチームメイトでプロになった友達もいる程なかなか強いチームでした。今思い返すと、その時の練習メニュー(環境)は強くなるだけの理由があったなぁと思うので、そろばんに活かせる部分を探してみたいと思います。

練習は毎週土日のみでした。自主練としてランニング、筋トレ、素振りをし記録するように指示されていましたが、最低ノルマもなく苦痛に思うこともなかったですし、その世界が普通だったので休みがつぶれてなくなるという感覚もなかったです。

チームは少数ながらスポーツ万能な子が多く、50mを6秒台で走る俊足の子や悪さを率先して行うガキ大将(プロになった子です)、顔が良くて明るくクラスの人気者だった子などなど、一般的なフツーの子供だった私には楽しい場所でもありました。

詳しい練習時間は思い出せませんが、朝早くから暗くてボールが見えなくなるまで練習した記憶があります(当時、土曜は4時限授業があったので午後のみ練習)。

まずは基礎練習。ランニング、キャッチボールを練習開始時に必ず行います。練習メニューはその時々で違うのですが、試合のように7イニング分全てをやることはありません。守備・バッティング・走塁等のテーマに沿って集中的に反復します。その成果を出す場として定期的に試合を行い、間隔が空きすぎればチーム内での紅白戦等で補いました。

練習の最後はベースランニングの後「今日も元気に声出して~みんなで歌おう~ファイターズ♪」と歌を歌い、グラウンドに「ありがとうございました!」と頭を下げて終わります。
野球は多少のルールを覚える必要はありますが、やる事は非常にシンプルです。投げて、打って、走る。ただこれだけ。それを全力でやると、あんなに楽しいスポーツになるから不思議です。

では、ここからそろばんに活かせると思う部分を抜き出していきたいと思います。

 

強さの理由

①基礎練習が実は最も大事

そろばん練習の中で最も大事な練習はなんでしょう。見取算?暗算?いえいえ、違います。最初に行うそろばんトレーニング(指慣らし)です。

手が曲がっていないか、計算が雑になっていないか、音や感覚は普段通りか、姿勢がまっすぐになっていると意識できているか等々、毎回確認することで悪いクセを修正します。

キャッチボールの時も放っておかれるのではなく、コーチが後ろを歩きまわって「胸をめがけて」「手首のスナップを使って」「左手(利き手と逆)を相手に真っ直ぐ」「軸足に体重をのせ、投げたら体の前へ」などアドバイスをし続けてくれていました。

②「凄い」「かっこいい」を知っている
③ライバル・エース・友達

目指す存在が自分をより高みへ導いてくれます。野球の場合は最高峰の存在としてプロがいますし、チームの中でも飛び抜けた憧れる子がいることでしょう。それと同時に自分と同じくらいの実力の子(ライバル)が発奮材料となります。強豪チームには必ずといって良いほど過酷な競争があるものです。ただし、それらを含めたたくさんの人たちと長い時間を共有することによって自らを支える大事な存在(友達・仲間)になるのです。

④取り組み方

(1)土日に連続して練習
復習のタイミングが早ければ早いほど知識の定着は早くなります。月木よりも月水の方が良いですし、月火はもっと良い訳です。逆に間が空きすぎて不安に思われる方もいるかもしれませんが、「エビングハウスの忘却曲線」を参考にすれば、時が経てば経つほど忘却率に差は生まれなくなっています。如何に早く復習するかの方が重要です。ここに自主練という自由意思による復習を挟むことで効果は倍増します。

(2)日曜にとことん練習
何度も言っている事ですが、学校のない(疲れていない)時に長時間練習するメリットは計り知れません。指導者も選手たちも納得いくまでとことんやり尽くせることで明確な差が生まれます。泉崎の土日特訓の他、段位検定や競技大会等も最良の練習の場と言えるかもしれません。

⑤やる事はシンプル

・野球は、投げる・打つ・走る
・そろばんは、計算・答えを書く

どちらも非常に単純です。それを楽しむためには、出来ることが増えている実感と共に、他人に褒めて(評価して)もらえるスピードで上達することが望ましいでしょう。

 

⑥勝敗がつく

試合をすればどちらかが勝ち、どちらかが負けます。でもその不確実性が楽しさや喜びを生み出すのです。だってドラえもんとジャンケンしてもつまらないでしょ?相手はグーしか出せない。結果の分かった勝負はつまらないんです。
あなたが「成功者」と思っている人物は、ほぼ全員「悔しい」「苦しい」を他の10倍経験していると思って間違いありません。

実はかなり内容を省きました。礼儀やルールについても書きたかったのですが、またの機会にしたいと思います。次回は東北大会予選会の様子をお伝えします