そろばん

90%以上の人が気付いていないそろばんの魅力

最初はちょっとだけ雑談
 そろばんの魅力はなんでしょう? 音?形?素材?歴史?先生!そうですね、正解です!
 もちろん学校にもたくさんの良い先生がいることも知っています。一定以上の教養を身に付けていないとなれない職業ですし、労働環境も過酷なので相当な情熱と根性がないと続けられないでしょう。
 しかーし、学校は制限がありすぎる。如何に優秀な人材であっても、ストッパーが働いて突き抜けることができないのではないかと勝手に思っています。その代わりに極端なハズレもない。10段階で言えば5~9くらいに密集しているイメージでしょうか。
人を数字で評価するのは失礼だと思いますが、ここは分かりやすさを優先しての仕方なくの表現です。語彙力のない未熟者ゆえ、どうかご容赦くださいませ。
 一方そろばんの先生はどうかと言うと、10段階評価で、11や12をつけないと見合わないだろうという先生を何名も知っています。要するに突き抜けてしまっている人です。自営業なので労働基準法は関係ありません。持っている全てをそろばんに費やしている(費やしてきた)生活をしているので、出してきた成果が圧倒的だったりします。きっと早死にするだろうな、とは思いますが、今のところ皆さんご健在です。
 これはストッパーのない自由な立場だからこそなし得ることだと思います。
 しかしながらその逆もあるのが残念なところです。これまで出会った人や聞いた話を勘案すれば、自営という世界は評価1もあり得る危険地帯であると理解してください。そういう教室はいづれ淘汰されていきますが、淘汰されている最中なだけかもしれせん。私自身も期待に応えられずに保護者から評価1をもらっている可能性もありますが…
 とにかくハズレがあるのが自営業です。そろばんの先生は1~12まであるので、それをリスクととるか魅力と捉えるはその人次第ですね。
 最近のそろばん教室は脱サラしてはじめた人や、公務員・芸人・主婦・学生、様々な人たちがそろばん界で活躍するようになりました。たくさんの要素が混ざり合う環境はそろばん界にとって明るい兆しです。学校でも民間の校長先生の採用や外部講師による授業、または地域との連携等で外との繋がりが多くなってきてはいますが、そろばん界以上に独自の世界が構築されている場所だと思います。そろばんの先生にとっても制限のない自由な環境こそが魅力と言えるかもしれませんね。
雑談は以上。長っ! ここから魅力を語ります。
 そろばんを習う生徒の割合が、小学校の全児童数の10%いれば良い方だと言われています。
 つまりそろばんを習っていない人は90%以上。つまり90%以上の人が気付いていない良さってなんでしょうか。
 そろばんを習うと、計算力、集中力、忍耐力、イメージ力、ひらめき力などなど、様々な力が身に付くと言われています。そろばんで左脳、あんざんで右脳、バランスよく鍛えることができますし、身に付けられる能力は他の学習のベースとなる大切なものばかりです。スモールステップで無理なく自分の実力に合わせた練習をすることができますし、学年の垣根を越えた交流も生まれるなど、子どもたちの成長の一助になる要素がたくさん含まれています。
 ここまでが一般的に言われていることで、けっこう知られている話です。
 でも私が思う一番の良さとは・・・
親を超える力
 仮面ライダー・ポケモン・恐竜・新幹線などなど、子どもたちの好きなものを覚える能力にはいつも驚かされます。タイトル通りにいえば、その知識は親を超えていますね。でも言いたいことはそういうことじゃないんです。
 親が一生懸命勉強している分野に対して、それでも子どもたちの能力が上回っていたのなら評価する対象となるでしょうが、さすがに仮面ライダーを全種類覚えたことで、「これでやっとお父さんを超えられたな」とはならないでしょう。
最初の大きな成功体験
 「計算」は誰もが算数の時間に格闘した憎っくき「天敵」のような存在ではないでしょうか。それでも何度も何度も勉強し、多くの人が高い計算力を身に付けてきました。日本の数学的リテラシーは世界でもトップクラスと言われています。
 高校までの(6・3・3)12年間、もしくは大学までの(6・3・3・4)の16年間計算をし続けてきました。しかし子どもたちが、算数(数学)の最も基本となる四則計算において、親よりも高い能力を身に付けることができたら凄いと思いませんか?
 そろばんを習うと数年で3×2桁や5÷3桁のような計算をスラスラ解けるようになります。人によって1年かかりません。段位にもなれば小数や端数処理等の高度な計算もこなせるようになります。短期間、それもかなりの高確率で身に付けられるそろばん学習ってすごいんです。
 ちゃんと技能を身に付ける正しい習い方についてはまたそのうち書きます。
手に入れる「自信」
 そろばん教室にはいろいろな状況の人が習いにきます。数字が好きで得意を伸ばしたいと意気込んで練習にくる子。数感覚を身に付けるために字も書けない状態で習いに来る幼児。算数が極端にできないことに困り果ててやってくる高学年の子。親に決められて仕方なくくる子。なんとなく勉強系の習い事をしたかった子。友達とのノリでやってみることになった子。弟・妹に負けたくないからと始めた子。もういろいろ過ぎて書ききれません。
 それでも続けた子全員に共通するのは「自信」です。~に勝った。試験に合格した。大会で入賞した。できなかったことができるようになった。ほめられた。算数が得意になった。計算カードはクラスで1番。いろいろあると思いますが、「計算力ではお父さんとお母さんを超えた」というのは子供にとってとてつもないインパクトがあると思います。
 もちろん親にとってのインパクトも相当でしょう。ただし、ガチンコ勝負はしたくないので気付くのを意図的に遅らせている可能性もありますが…
 これに気付けた時は相当うれしいことでしょう。1つの大きな成功体験ですね。「~ができないかもしれないけど、私には~があるから」という前向きな気持ちは、多くの困難を乗り越える勇気と力を与えてくれます。本気でやったらそれが1年かからずに身に付けられる習い事「そろばん」って最強じゃね?と気付く人は何%いるでしょうか。
1つのゴールは親を超える事
 子どもにとって親の存在はとても偉大なものです。常に目標としてあり続け、広義の意味では超えることはないのかもしれません。だからこそ計算力という一生使う能力において、親を超えるということが1つの目標でありゴールになり得ると思っています。
 入学時に保護者に「そろばんを習っていましたか?」と聞くことがありますが、はい、と言われると、よーし、まずはそこを超えてやろう、私はひそかに燃えていたりするのです。だってそれが子どもにとってうれしい出来事だと思いませんか?
最後に
 90%の人が気が付いていない、というか、あんたの勝手な思い込みだからそもそも気付くかよ!若干そう思ってるところもあるし!というお叱りを受けそうな釣りネタになってしまいました。
 でも「発信力」はそろばん業界に足りない最たるものです。こんな恥ずかしい内容でも書いていいんですから、他の先生方(特に若い先生たち)も「自信」をもってどんどん発信してほしいと願っています。そう、失敗も結果オーライだったりします。ハッハッハ