そろばん

そろばんを楽しくする~大会に参加しよう~

そろばんが上達してきたらぜひ参加してほしい競技大会。

そこからさらにそろばんにハマって上手になっていく子が多いんです。

つい昨日の話ですが、Aくんは自宅で朝練をしてから教室で9時半~15時半までみんなと一緒に特別練習をこなし、それでも「帰ってからまた練習をするんだ!」と言っていました(^^;)

ちなみにAくんというのは先週の行われた競技大会(市大会)に初めて参加した、そろばん歴1年半の生徒です。こんな子がどんどん出てくるから競技大会はやめられません。

そんな魅力のある『競技大会』はどういうものなのか、ウチの地元で行われている市大会を例にご紹介したいと思います。※一般的ではないローカルなルールが多分に含まれていますのでご容赦ください

どんな人向け?

競技大会は市・県・地方・全国と規模によって様々なものが開催されています。その中で最も小さな競技大会が市大会です。

市大会は通称「新人戦」と呼ばれ、最初に参加するリアル大会(※教室で行える通信競技大会もある)として長年親しまれてきました。というのも、同大会の優勝者に加え、全珠連と日珠連の「県大会入賞者」「地方大会本戦出場者」は次年度に参加ができないルールがあるので、いい意味で競争が生まれ、誰にでも入賞する可能性のある大会と言えます。

検定という自分との戦いから、競技という他人との戦いがここからスタートしていく訳ですね。

参加するには

この競技大会に参加するには、教室の代表者が大会を運営する○○研究会に所属しなくてはいけません。

所属するといっても運営会議の時に会員の先生方が承認してくれれば準会員として認められ、以降は自由に大会に参加ことができます。もちろん参加しなくとも特に罰則がある訳でもなく、完全ではないにしろほぼオープンな形で運営されています。

前回大会は16団体が参加しました。

どのくらいの人がくるの?

前回大会は市内及び近郊の教室に通う生徒さんが140名集まりました。

毎年変動はありますが、100名~170名程度の範囲で収まっています。ちなみに部門は2年生以下、3年生、4年生、5年生、6年生、中学生と6部門に分かれますので、1部門25名前後、中学生だけ10名前後の参加となります。

入賞枠は参加人数によって異なり上限も定められていますが、基本は4割なので1部門25名だとすると上位10名が入賞です。ただし、1位~10位各1名ではなく、1位1名・2位3名程度・3位6名程度として表彰されます。

そろばん競技の特徴として同点が多く優劣が明確につけ辛いということがあるので、1位~10位を1人ずつ決めるにはとても時間がかかってしまうのです。特に読上算などは顕著で、2人の優劣をつけるのに10分以上かかることもよくあります。入賞に幅を持たせた方が円滑な運営ができるんですね。

何をするの?

説明よりもプログラムを見た方が早いので貼り付けます。

1.開会のことば   10:00
2.大会長の挨拶
3.大会委員の紹介(参加団体・代表者)
4.競技上の注意
5.競技開始      10:20
(1)種目別競技
①読上暗算 (10:40終了回収)
②読上算  (11:10終了回収)
〈小休憩〉
(2)個人総合競技   11:30
①乗 算
②除 算
③見取算
(3)順位決定戦   12:05
①読上暗算競技
②読上算競技
③個人総合競技
<休憩・昼食 12:20~12:55>
(4)アトラクション  13:00
6.講評  14:20
7.成績発表ならびに表彰 14:30
8.閉会のことば  15:15

あくまで新人戦なので1日中競技をやりつづける訳ではありません。

午前中に全てを詰め込んであるので、午後はアトラクションと表彰のみです。

ちなみにアトラクションはフラッシュ暗算とビンゴ、運試し抽選などが行われています。(まぁ採点と成績集計、賞状印刷の時間稼ぎなんですが、子どもたちにとってはお弁当も含めて楽しい時間が続きます)

最後に30分強のドキドキタイムである表彰。様々な想いが駆け巡る複雑な時間でもありますが、喜怒哀楽が出るような体験をしているその瞬間こそ、この大会が成長の機会である証拠です。

そろばん教室の中だけでは味わえないたくさんの苦くも楽しい経験が待っています。気になったらぜひ一度足を運んでみましょう。ほとんどの大会は見学も自由にできます。

どんな問題がでるの?

個人総合競技では「きんき通信ベスト100」という問題を使っています。

4年生以下はCランクを用い、かけ算を例にすると2桁×1桁~4桁×3桁まで徐々に難しくなる問題を全40問5分で行います。5年生以上はBランクなのでもう少し難しくなりますが、問題数や制限時間は一緒なので全員が一斉に計ります。問題程度はアバカスサーキットのF2以上F1未満といったところでしょうか。

読上暗算競技では1桁~2桁5口(口数は問題の行数)から3桁~5桁5口の全20問。

読上算競技は2桁~3桁5口から6桁~9桁10口の全20問。

各連盟の検定に準拠しているわけではないので、どこに所属していても公平に行うことができます。

入賞点数

毎年かなりバラつきはありますが、個人総合競技は概ね以下の点数に落ち着きます。

2年生以下…800点、3年生…900点、4年生…1000点、

5年生…900点、6年生…1000点、中学生…1100点。

1200点満点ですが、全問正解者は1人か2人しか出ないので難易度的にははちょうど良いと思います。教材は朝日プリント社で購入できますので試してみてください(8分ではなく5分)。

読上算・暗算は4年生以下が10問前後、5年生以上が13問前後です。目安として、4年生以下は読上暗算が3桁5口、読上暗算が3桁~6桁10口をできると入賞です。5年生以上は読上暗算が3桁~4桁5口、読上算が4桁~7桁10口をできると入賞です。

まとめ

大会に出場するには大きな勇気が必要かもしれません。参加者の大半は戦いに敗れて落ち込んで帰ることになります。それでもまた1年かけて同じステージに戻ってきてください。それだけ競技大会に参加する価値は高いのです。

大会に参加すると本気で練習できます。だから検定練習に戻った時にグングン解いていくことのできる正確性とスピードが身に付いていることに気が付くでしょう。

上手になる子には理由があります。他の人が遠慮しているようなことも臆さず挑戦し、悔しさや苦しさと引き換えに多くの力を手にしているのです。

まずは自分の地域で一番小さな規模の大会にエントリーしてみましょう。そのために必要な3級程度の力を早く身に付けましょう。あなたの本当のそろばんライフはそこからはじまります。