指導法

そろばん指導入門2 ~運指・算法2~

それでは具体的なやり方を説明していきます。ただし、さわりの部分だけなので気になった方は他で詳しく調べてみてください。尚、暗算を重視した方法、且つ、管理人独自の考え方も含まれますのでご了承ください。

かけ算は両落とし

①かけ算の計算は実も法もおかない、積(答え)のみをそろばんにおいていくやり方がおススメです。恐らく、全国でもこの算法で指導している教室が過半数を占めるのではないのでしょうか。
654×3=の計算を例にします。実(3桁)+法(1桁)=答え(4桁)なので、4桁目(千の位)からスタートです。※答えが何桁であっても(2桁+1桁=3桁等でも)1の位からスタートする算法もありますが、初歩学習者は数感覚を養うために下記の方法が良いと思います
 順序は①6×3 ②5×3 ③4×3 で行います。

千の位から①の計算をし、たし終わった桁(もしくは開始位置の1つとなり)から②の計算、さらにたし終わった桁(もしくは開始位置の2つとなり)から③の計算をします。

 答えは 1962 です。

 

 ②わり算は法も商もおかない

はじめに断っておきますが、15年やってきてこれまでたくさんの教室を見てきましたが、未だに同じやり方を見たことがありません。けれども、生徒の成長をみる限り正解だという確信があるのでご紹介します。

1つ問題です。6144÷8= のような問題をやってみてください。あ、画面上で考えないで、一度紙に書いてから解いてくださいね。できる人は暗算でやりましょう。

さぁ、どうでしたか。3桁の答えを記憶して一気に書きましたか?それとも7を書いて、少し考え、6を書いて・・・と少しずつ答えを書いていきましたか?もし少しずつ書き加えていく方法であったのなら、そろばんもそのままのやり方でやってしまえば良いと思います。

そろばんと暗算のやり方を変えてしまうことで生徒が混乱する場合があります。暗算をやる時は、そろばんで教えた通りに指を動かしてイメージしてね、といえば説明はおしまいです。先生がラクで生徒もラク、そして早く暗算が身に付く。ゴールがはっきりと「暗算力養成」と決まっていれば、そこへの最短ルートを考えてあげると途中の方法も自ずと決まってくるでしょう。

では具体的にそろばんの図で上記の方法を説明します。

 ポイントは、そろばんには6144以外はおかないことです。無駄なことをしないのが肝心です。

次に61÷8を考えて、答えの7を導きます。そしたら「そろばんに答えをおく」のではなく、「すぐに答えを書きこみ」ます。それから56をひきましょう。

 すると上のような形になっていますね。これが暗算的視点からみると「普通」なのです。

以下も同じ作業を繰り返します。54÷8を考えて、答えの6を導きます。答えをすぐに書いてから、48をひきます。

 最後は簡単、8を書いて64をひけばいいんでしょ?

いやいや違います。答えは書いてもいいです。でも、もしあなたがワンタッチ付きのそろばんを使っているのであれば64をひかないでください。

 この状態で「カチャ」っとボタンを押してご破算にしてください。

これは省略算の一種で、「わり算は答えが分かった段階で計算をやめる」ことが大事になってきます。その準備として、はじめから習慣にしてください。先程も書きましたが、無駄なことはしなくていいのです。例えば123456789÷123456789= の答えが1と分かっているのに、わざわざそろばんに123456789とおいてから123456789とひきますか?それはただの作業です。やらなくて良いことを強いるのはやめましょう。