読上算はキャッチボール
「願いましては~ 194円なり、4086円なり、・・・372円では。できた人」
「はい!」
「では、~くん」
「24964円です」
「あぁ、おしいね。すごく近い答えです。他にできた人」
「はい!」
「では、~さん」
「24974円です」
「はい、ご名算!合った人」
1問毎にこのようなやり取りがあるのが読上算です。
これは先生と生徒が言葉を交わす、貴重な時間であると捉えられないでしょうか。
読上算も大事な練習
「聞いて、瞬時に理解し、出力する」を繰り返しトレーニングするのが読上算です。
できるかどうかの絶妙なラインで読み上げるのが先生の腕の見せ所だったりするのですが、当たり前にできそうな問題や明らかにできそうにない問題でも、子どもたちは楽しんでいるようです。
簡単な問題は、上手になった自分の実力を確認できます。
難しい問題は、正解した生徒に対して憧れや尊敬の念を抱きます。
簡単な問題は、できなかった生徒と比較して優越感を得られます。
難しい問題は、自分以外に正解している人が多ければ悔しさを感じます。
簡単な問題は、必死でやっている子をみて微笑ましく思います。
難しい問題は、もう少しでできそうであれば再挑戦する気持ちは強くなります。
いくらでも書けそうですがしつこくなるのでやめます。とにかく読上算は刺激になる上に、先生と生徒がコミュニケーションを取れる大事な練習時間とも言えるのでぜひ取り入れてください。
読上算は非効率?
読上算は1問練習するのに1分~2分かかります。しかも全ての問題が個々の実力に合ったものばかりとも言えません。非効率だからと普段の授業ではやらないという先生が多い事を知っています。
もちろん検定試験に合格するということだけを考えれば非効率かもしれませんが、我々の目的は珠算学習を通じて子どもたちの様々な能力を高めることではないのでしょうか。さらに言えば、楽しい時間を作ってあげることはサービス業して当然の仕事だとも思いますがいかかでしょうか。
「押すな、押すな」のオチは全員知っている
読上算は生徒とのコミュニケーションを取る大事な時間だと述べました。これは言葉を交わした生徒に対してのみならず、その会話を聞いている生徒にとってもコミュニケーションになっていると思います。例えば読上げ中のこんな会話。
生徒「答えはハムです」生徒一同「アハハハ」
先生「ハムって86の事?」
生徒「だって朝ごはんにハムが出たからさぁ、思わず」
先生「ちゃんと86って言ってくれないと、先生、超ショック」
生徒「?」
先生「朝食だけにね」生徒一同「アハハハ」
実にくだらない親父ギャクですね。でもこれでいいんです。聞いている人もその場の空気を楽しんでいて、それ自体が会話の一部です。それにはコテコテでも分かりやすい方がいい。ダウンタウンよりもダチョウ俱楽部の方が小学生向けでしょう。ダチョウ倶楽部の鉄板ネタ、私は大好きです。
「押すな、押すな」も「私がやります、いや、私がやります、じゃあ私が…」も、みんながオチを知っているからみんなで楽しめるんです。逆言えばみんながいるから楽しめる空気感です。読上算ではそんな雰囲気を作ることで会話がないコミュニケーションが可能なのです。
次回も読上算
もし読上算が非効率だとしたら、やらないのではなく工夫をしましょう。
次回は「アイデア次第で読上算はみんなでできる」という題で、私が日頃やっている練習方法をご紹介します。簡単で単純なアイディアだったりしますが(事前にハードルを下げておきます…)日頃取り組んでいない人にとっては参考になると思いますのでお楽しみに。