運営

楽しみの多い教室にしよう

ニンジンをぶら下げよう
 そろばん教室の楽しみってなんでしょう。たくさんの友達に会えることですか?それとも純粋に上達することが楽しい?もしかして先生に会えることかな…。理由はたくさんありますよね。
 でもそれだけでは頑張るためのガソリンが不足する場合があります。物を目当てにしてしまうとそれがなくなった時に努力できなくなると言う人がいますが、そんなことはありません。たくさんの本に書かれていますので教育について書かれているものを読み漁ってください。
 では仮に物を目当てにして良いとして、そろばん教室ではどんなことをするといいでしょうか。
 少し考えてみましょう。
ポイントカード
 これは非常にありきたりですが、応用の幅が広く、便利なアイテムです。
 検定に合格したら、宿題をやってきたら、最高点を更新したら、友達を紹介したら、休まず出席したら、なんでもOKです。その条件に応じてポイントカードを配り、その配分や還元率も自由に決められるので、もし何かをしたいのに迷っているのならコレで決まりです。
 1年に1度でも半年に1度でも、好きなタイミングでこのカードを使って行える遊びを考えてあげてください。
 ちなみに私のところでは半年に1度のお楽しみ会で、お菓子と交換するか一覧表の文房具を注文するかを選んで使うことができるようにしています。
シール集め
 これもポイントカードと似ていますが、少し意味合いが違うので例に挙げておきます。
 シールを貼る、という行為は特別な価値があります。特に低学年の生徒には効果的です。検定の合格シールだけではなく、台紙を作ってあげて、テキストが1冊終わったら、宿題をやってきたら、延長練習をしたら、大会に出場したら、などの特別な時にだけ貼っていくとモチベーションを長期間保つことができます。
 収集癖というのは多かれ少なかれ誰しも持ち合わせているものだと思いますが、ましてや少しずつ努力が形になっていくのですからテンションが上がります。最終的なご褒美がちょっとしたであったとしてもその過程が楽しくて満足してくれる子は多いです。
ちなみに私のところでは出席するだけでシールを貼ってあげている教室もありますが、全教室共通なのは延長練習でハンコを押してあげていることでしょうか。段階に応じて銀色や金色のスペシャルカードをゲットできるようにしています。
お菓子
 いつ使えるか分からないポイントカードやシールは即効性に欠けます。今この場ですぐに見返りがあると分かれば、エンジンのかかり具合も変わってきますよね。
 この点でお菓子というアイテムは非常に優秀です。こちらがさせたいことに対して使うと良いと思います。
 例えば、休日の特別練習、テストの日、夏休み中などなど、たくさん参加してほしいときには必ず用意する決まりにすると効果的です。
 私の教室では延長練習時の休憩時間に限り、自分のポイントを使ってアメと交換することができます。また祝日に行う長時間練習の時やハロウィン・バレンタインなどのイベント時も簡単なお菓子をあげています。
クリスマス会
 これは冬休み前の一大イベントにしている教室も多いのではないでしょうか。子どもたちのテンションの持っていき場所を作ってあげることも大事な仕事の1つだと思います。
 何も大掛かりなものを用意しなくてもいいと思います。みんなで一緒に同じ目的で過ごすことに意味があるので、ちょっとしたゲームとちょっとしたご褒美があればいいでしょう。困ったらビンゴをやればなんとかなります。ビンゴはいつでも誰でも公平に楽しめる万能アイテムです。
 どうしても内容を決められない場合は子どもたちに相談して任せてしまうのも1つのやり方です。
 私の教室でも適当にみんなで遊んで、最後にビンゴで終わるのが定番です。毎年同じですが誰も文句は言いませんよ。
合宿・遠足・卒業旅行
 これらは一生記憶に残る素晴らしい催しだと思います。私の教室ではやっていませんが今後取り組みたい事の1つです。教室以外でのコミュニケーションの場は我々指導者にとっても貴重ですし、実際に毎年行っている先生からは「これがあるから最後までがんばり抜ける子も多い」と聞いています。
 たくさんの生徒を引率することに対しては責任が伴いますが、保護者の協力を得ながら実施できるように検討したいところです。
ゲーム(勝負)
 子どもたちは勝負が好きです。どんな些細なことでも燃えてくれます。
 私もコミュニケーションをとるために子どもたちと勝負します。フラッシュ?読上?いやいや、違います。ジャンケンです。
 ポイントカードやシール集めにも共通しますが、勝ったらポイントが増える、ここまでいったら勝たないと進めない(シールがもらない)関門をつくる、といった具合に生徒との時間を作るようにするといいと思います。
 他にも、さっきよりも点数が最も上がった人に、最初に全問おわった人に、全問正解できた人に、基準点をクリアした人に、などなど、ゲーム性をもたせて取り組ませる材料としてニンジン(ポイントまたはアメなど)をぶら下げることも楽しみにつながるでしょう。
子どもを楽しませるためには先生が楽しむ
 例にあげたようなことを行う上で大切なのが、先生が楽しくてわくわくすることを積極的にやるべきだということです。無表情でジャンケンされても面白くもなんともありません。ただの作業と感じるならやめましょう。
 我々はエンターテナーな一面も必要です。自分のワクワクを子どもたちに伝染させる気持ちで時には喜怒哀楽を強調しながら一緒に楽しんでください。子どもたちはとても敏感で鋭いものですよ。